塊根植物(コーデックス)とは、茎や根が肥大化した姿が特徴の植物の総称です。過酷な環境下で生存するためにその肥大化した茎などに水分・養分を蓄える機能をもち、その独特な姿がユニークでインテリアとして人気が高いです。一般的な観葉植物との育て方の違いや、魅力あふれるコーデックスの育て方・種類をご紹介。
なんといってもコーデックスの魅力は、その肥大化した茎や根が作るそのフォルム。その愛くるしい姿に心奪われる人は多いのではないでしょうか?
塊根植物も多肉植物なので、夏型や冬型など生長期に違いがあり、そのサイクルは落葉などで見た目で分かりやすいです。
特徴的な塊根部分に水や養分を蓄えているので、水やりのタイミングに気をつけ根腐れさせなければ、丈夫で育てやすいものが多いのも魅力です。
塊根植物・コーデックスにも大きく分けて2つの生育タイプに分かれます。夏に生長期を迎え旺盛に葉を茂らせ塊根も大きく育つ夏生育型。冬や春先に生長期を迎え夏は葉を落として生長が鈍くなる冬生育型があります。
どちらのタイプに属するかは紅葉して落葉するタイミングを見ればすぐに分かります。しかし、冬生育型も環境が合えば1年を通して落葉せずに生長し続けるものもあるので、一概には決めつけることはできません。また、冬場も室内管理で加温していれば夏生育型も休眠期を迎えずに越冬して育てることも可能です。生活リズムや環境に合わせて植物との付き合い方を考えのも大切なポイントです。
水やりのタイミングは葉に元気がなくなり萎れてきたり、塊根がベッコリと凹んで来たら水やりのサインです。ここで注意しないといけないのが、「葉が萎れている」「塊根が凹んでいる」からといって必ず水不足というわけではないということです。
株がきちんと水を吸えているかどうかを見てあげる必要があります。鉢を持ち上げて軽くなっているのか、植物タグなどを用土に少し差し直して用土内が乾いているかどうか、きちんと調べてから水やりをする必要があります。
最大の魅力「塊根」を太らせるためにも定期的に植え替えや施肥をしましょう。用土に関しては水捌けの良い多肉植物・サボテン用の市販のもので問題はありません。大事なのはご自身の育てる環境に合わせた用土配合をすることです。
室内管理の場合はいくら日当たりの良い窓辺に置いていても、ハウス栽培に比べて用土が乾きにくく蒸れやすい環境になりやすいです。その場合は少し通気性の良い軽石、バークなどを多めにしたり、底石もしっかり入れてあげることで改善する場合もあります。逆にハウス栽培の場合、乾きすぎて水やりの頻度が多く管理が大変な場合は保水性の高い赤玉、少しピートモスなどを加えてあげるなどして調整します。
また、植物に対して植え替える鉢の大きさによっても乾きやすさが違うため注意が必要です。
塊根太らせるためにも定期的に植え替えや鉢増しが必要です。太らせるにはしっかりと根を張らせて、枝葉を茂らせる必要があります。生長過程で根が鉢全体に行き渡り、古くなった根などをそのままにしておくと、用土の養分を十分に吸い上げることができず、また病害虫のリスクも増えてきます。
よりしっかりと根を張らせるためにも生育期に植え替えと、植物に対して少し余裕を持たせた鉢の大きさに植え替えてあげましょう。
塊根植物・コーデックスは日光を好むものが多いです。日中日差しの入る室内の窓辺でも問題ありません。ただし、どうしても窓を通しての光はかなり遮光されている状態なので、日照不足は間延びするなどの徒長の原因にもなります。
しっかりと日差しを確保できない場合は、植物育成LEDライトなどを導入しても良いかもしれません。照射する時間や植物までの距離などで植物毎に合う日光の環境をコントロールできる点がポイントです。
日当たりの良い場所として直射日光が終日当たるような場所に置いておくと、葉焼けや塊根が焼けて変色したりしてしまいます。屋外は風当たりも含めて生育にとても適していますが、塊根部は自生地など本来の姿では地中に埋まっているものも多く、園芸として地上に露出して楽しむ場合も多いため、直射日光を浴びすぎると傷んでしまう可能性があるので注意が必要です。
紫外線の強い春先や、高温になる真夏などは直射日光を避けて、適度に遮光するか長時間当たらないような場所で管理しましょう。
その姿からわかるように多種多様な植物なので、それぞれの育てるポイントを抑える必要があります。塊根植物の多くが育てやすいので、苦手意識を持たずに自分のライフスタイルと合った塊根植物を選ぶのもポイントです。それぞれの管理のポイントをみていきましょう。
南アフリカから東アフリカへ広めに分布しその多くが塊根を形成する人気の品種。夏生育型で冬季には落葉し寒さには弱い品種が多い。肥大化する塊茎部分は葉焼けしやすいので春先からの遮光には気をつけたい。
南アフリカ原産のメセンに分類される塊根性の根を持つ多肉植物。大きく生長しても15cmほどの小型の多肉植物で、生長速度も決して早くありません。調子を崩すと立ち直りに時間がかかるので、夏越えには注意しましょう。
南アフリカ原産の塊根のできる品種の多いキク科の植物。その多くが冬生育型で比較的寒さには強く、冬の厳しい日本でも育てやすいです。ただし、休眠期にあたる夏の扱いを間違えると調子を崩しやすいのも特徴です。
アフリカ亀甲竜を中心に塊根植物の人気代表種。その特徴的な亀の甲羅のような塊根は、年数を重ねるごとに突起が層となってより味わいを増していきます。寿命も数十年と長いため長期にわたって楽しめるのも人気の理由です。
盆栽のように幹立ちするメセン類のコーデックス。多肉質の葉の先に放射状の小さな刺をつける。生長は遅いが真夏も真冬にも強く育てやすい。
南アフリカ原産の塊根部分に水分を蓄え過酷な環境を生きるコーデックス。多年草で、自生地では塊根部分の大半は地中に埋まっている。生長は遅いが丈夫な品種なので、長く付き合える初心者にはオススメのコーデックス。
育つにつれて節のある塊茎を形成し、先から2つの多肉質の葉を出す南アフリカ原産のメセン類。2つの葉がうさぎの耳のように見えるため人気のある多肉植物です。日本では秋頃から芽が出始めて冬から春先まで生長し、夏には葉が枯れて休眠に入る冬生育型です。
シソ科の南アフリカ原産の多年草で観葉植物としてはメジャーです。ハーブや多肉植物に分類されるものもあります。冬は落葉しますが耐寒性はあるほうだと思います。開花時期は長く5月から10月ごろまで小さな筒状の花を咲かせます。
南アフリカ及びマダガスカルに自生する塊根植物の代表種。壺型にぽってりとした塊根部から細い枝が生えるフォルムは魅力的で、分布する自生地によって葉や花の形色が異なりコレクション性も高く人気です。
ガガイモ科の南アフリカ原産の塊根植物。肥大化した塊根部とメタリックパープルの葉裏とのコントラストが実に美しい蔓性のコーデックス。本種はナタレンシスのみの1属1種も魅力なところ。
ユーフォルビアは夏型の印象が強いですが、夏は葉を落とし涼しくなると生長を始める冬型のコーデックスもあります。それぞれの生育リズムをしっかりと見極めて上手に育てられるようにしましょう。
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