初心者も育てやすい多肉植物

山梨県と長野県に跨る八ヶ岳で、多肉植物・サボテンなどの観葉植物を育てる一本木は、夏は涼しく冬は-10度にもなる冷所です。もともと高山植物など自生する植物を園芸として趣味にしていましたが、オープンガーデンとして開業する際に、不思議な魅力をもつ多肉植物に出会い、その魅了の虜に…

山岳地帯の真冬では植物の管理は難しいと思われがちですが、初心者でも適切に管理すれば育てられるという証明と失敗(泣)を、実際に八ヶ岳南麓で奮闘する多肉植物の様子をお伝えしながら、多肉初心者の方に少しでも参考にしてもらえればと思います。みんなで多肉植物の魅力を広めていきましょう!

そもそも多肉植物とは?

頭を整理するため少し調べてみると、多肉植物はその不思議な見た目や数万種類もあるといわれる品種の豊富さが魅力で、"ハマる"と出てこれない大変奥深い植物です。最近では、100円均一や雑貨屋でも必ず目にするほど人気となっています。

多肉植物は、主に熱帯地方のような乾燥地域を原産地としているものが多く、強い乾燥に適応できるように、茎や葉に水を蓄える肉厚な葉っぱや茎など、独特な姿へと進化したと考えられています。
雨の少ない環境に適応した多肉植物は、水やりも少なく育てやすいことから、観葉植物として人気が高いようです。

山梨県八ヶ岳南麓で多肉植物は育てられるの?

結論からいうと育てられます。
サボテンは主に南北アメリカ、多肉植物はアフリカ大陸を中心に世界中に分布し、ルーツの違いや、日照りの強いとこでも平気なものや日陰を好む多肉植物など様々です。

山梨県の北西部に位置するここ八ヶ岳南麓では、真夏でも25度前後と涼しく、冬場は積雪も10cm以上も積もる冷所です。
多肉植物の多くが熱帯地方の原産が多いので、きちんと育てられるかどうか不安な方も多いと思います。しかし、多肉植物の中でも-30度にも耐えられる品種もあるなど、凍結させないようにしっかりと管理をすれば、枯れたりすることはありません。北杜市で本格的に多肉植物やサボテンを扱い始め、八ヶ岳南麓の気候に対応できるか心配でしたが、今でも温室の多肉植物たちは元気に育っています。

そんな八ヶ岳の夏越しや冬越した、初心者にも育てやすい魅力たっぷりの多肉植物、サボテンたちをご紹介。個人的に感じた生育時に気をつけることや、その生長の記録をご紹介します!

ハオルチア属

個性的な形が特徴で、「軟葉類」と「硬葉類」と二種類に分かれ、軟葉類には葉の先に「窓」と呼ばれる淡く透明で柔らかい葉があり、その色や輝きにより高額で取引される個体もあります。ハオルチア属は寒さにも非常に強いとのこと。八ヶ岳の冬越しにも期待したい。

ハオルチア コレクタ
育てやすさ★★★★★
葉先の透明な窓が美しく、輝きと白い網目状の模様が美しいほど人気が高い。
ハオルチア ファスキアタ コンコロール
育てやすさ★★★★
硬い葉の絶妙な曲線と白い模様が魅力。
ハオルチア チョベリバ
育てやすさ★★★★
硬葉類で白い模様が特徴。名前を聞いて反応できる世代で別れるが正式名称。個人的にはチョベリグ。

セダム属

セダムは小さな玉状の葉や肉厚なシルエットが可愛らしい、初心も育てやすい多肉植物です。生育も早く、落ちた葉からでも発根したり、挿し芽でも簡単に増やすことができます。日光が不足する徒長気味になりやすく、数多くの品種がある分、寒さに強いものや弱いものなど様々なので、管理には気をつけましょう。

セダム 虹の玉
育てやすさ★★★★

耐寒・耐暑もあり、挿し芽と葉挿しで簡単に増やすことができるので、初心者も安心の品種。日当たり良く乾燥気味に育てると秋頃の紅葉が見どころ。

セダム 乙女心
育てやすさ★★★★

多肉初心者が始めて越ごしさせるのにぴったり。寒さに強く、0度で霜に当てられても簡単には枯れません。秋に葉先から赤く紅葉し、春春に綺麗な花を咲かせる。名前に似合わず、接し方(育て方)は簡単です。

アボニア属

托葉(たくよう)という葉の付け根から生える葉状片が発達したものが全体を覆っています。南アフリカ原産の多肉植物で冬型のものが多いとのこと。地下に塊根を形成するコーデックスは、密集して大きく生長するとなかなか迫力が出てきます。

パピラケア(白蛇殿)
育てやすさ★★★★

茎は白い鱗片で覆われ「白蛇殿」とも呼ばれる冬型の多肉植物。生長は遅く、伸びた先端から小さな花を咲かせる。

フェネストラリア属(メセン類)

南アフリカ原産で、葉は細く先端部分に窓を持つ小型の群生種です。徒長しやすいので日光にはよく当てるようにしましょう。ただし、真夏の日差しは避け、遮光気味に。生長し密集してくると蒸れにも一段と弱くなるので断水気味に管理、または株分けをします。耐寒性も強く育てやすい多肉植物です。

五十鈴玉
育てやすさ★★★★

細長く先に窓と呼ばれる淡く透明で柔らかい葉がある。生長も早く初心者にも育てやすい多肉植物。

ユーフォルビア属

ユーフォルビア属は多肉植物の中でも数千種類と種類が多く、姿形も多種多様。魅力的な種属です。根が細く根張りが弱い種類が多いらしいので、水やりや植え替え時には注意したいところです。ユーフォルビアの特徴は傷つけた時に白い樹液が出ます。樹液は有毒性で肌に着くとかぶれたりするので注意してください。

スザンナエ(瑠璃晃)
育てやすさ★★★★

【春秋生育型】耐寒性もあり、八ヶ岳の冬越しも安心。仔株をたくさん吹くので生長が楽しみ。綺麗な球に仕上げるには実生苗がおすすめ。

センペルビブム属

ヨーロッパ、ロシアの山岳地に自生し、極寒にも耐えうる最強クラスの耐寒性を持つ種属。冬でも戸外で育成が可能で、非常に丈夫な多肉植物です。ただし、暑さや蒸れが苦手です。真夏の直射日光は避け、風通しの良いところで管理しましょう。

ブルーボーイ
育てやすさ★★★★

【春秋生育型】-30度にも耐えうる最強クラスの耐寒性を持つ。ブルーグレーの葉が紅葉する姿はとても美しい。

エケベリア属

葉は肉厚で葉先は細く尖理、ロゼット状につらねるエケベリア。多肉植物の中でも育て方が簡単。冬の涼しい時期は葉の赤みが増す紅葉がとても美しい。様々な品種があり、耐寒・耐暑、常緑・紅葉など様々ですが、比較的育てやすいものが多い。また、葉挿しなどで簡単に増やすことができるもおすすめ。

パーパソルム
育てやすさ★★★★

【春秋生育型】真暑・真冬は休眠し、10度~25度が生長期。渋い色みが好み。

ハムシー
育てやすさ★★★★

【春秋生育型】暑さにも寒さにも強く、初心者も育てやすいです。ふわふわの産毛に覆われた肉厚な葉は、縁の赤みから徐々に紅葉していきます。生長も早く、木立するほどに大きくなるので育てる楽しみも大きい。

セトーサデミヌタ
育てやすさ★★★★

【春秋生育型】青みがかった緑の葉は、全体に白い柔らかい微毛が生えています。高温多湿に弱く、明るい日陰で風通し良く管理。秋が深まると葉先が紅葉する。

パールフォンニュルンベルグ
育てやすさ★★★★

【春秋生育型】葉の縁が薄くピンクで、全体的に紫色をした肉厚の葉が特徴。耐寒性もあり、比較的育てやすい。徒長しやすく幹立ちするので、遮光気味に日光によく当て風通しの良い環境で管理。

グラプトペタルム属

中米・メキシコが原産。また葉挿しなどで増やすのも簡単で寄せ植えにもよく使われる品種。寒さにも比較的強いので八ヶ岳の冬越しも問題ありません。ただし、蒸れや強い日差しには弱いので気をつけましょう。丈夫で初心者にもおすすめです。

アメジスティナム
育てやすさ★★★★

【春秋生育型】コロッとした丸みのある葉ははうっすら白く粉を吹いたように。薄紫のなんともいえない色味が素敵。

グラプトベリア属

グラプトペタルムとエケベリアとの属間交配種。ロゼット状の肉厚の葉は、秋には綺麗に紅葉します。夏の蒸れに弱いですが、比較的寒さにも強く、挿し芽や葉挿しでも簡単に増やせるので初心者にもおすすめの種属です。

セブンスター
育てやすさ★★★★

【春秋生育型】ロゼット型の青みがかった葉は、葉先が少し赤くなっているのが特徴。秋に綺麗に紅葉します。

八ヶ岳南麓北杜市で多肉植物を育てるための環境とは?

多肉植物を育てる時に、大切な要素が「日光・水やり・風通し」です。これらのバランスを、季節ごとにコントロールできる者が多肉植物を制するといっても過言ではありません。

山梨県北杜市の気候は、真夏でも25度前後、夜になれば10度台にもなり、上に1枚羽織りたいくらい肌寒くなります。一方、真冬は-10度、積雪もある厳しい環境になります。では、ここ八ヶ岳南麓の夏越しと冬越しの多肉植物の育て方を見ていきましょう。

夏越しで気を付けること

八ヶ岳南麓の夏の気候は、昼間も直射日光を避ければ湿度も低く、大変過ごしやすいです。夜になると、また一段と気温が低くなります。多肉植物やサボテンは、昼間と夜間の気温差が大きい過酷な乾燥地域を原産地としているものが多いので、成育期にメリハリの効いた環境で育てることができれば、花付きや塊茎のハリツヤに良い影響が期待できるので、多肉植物やサボテンを育てるにはおすすめの環境です。

植物も火傷?!「葉焼け」に注意!

多肉植物の夏越しで気を付けなくてはならないのが、「葉焼け」です。
八ヶ岳の気候が涼しく過ごしやすいとはいえ、直射日光は葉焼けの原因となります。遮光ネットや寒冷紗をうまく使いましょう。

豊かな自然からの厄介な恵み「害虫」に注意!

非常に頭を悩まされるのが「害虫」による被害です。
豊かな森に囲まれた八ヶ岳の環境は、多肉植物たちには適度な湿度や気温で育てやすい環境の一方、虫たちにとっても最適な環境になります。
一本木では住宅に併設した温室でしっかりと管理しているため、被害は少ないですが、オープンガーデンのように地植えした植物たちは、様々な害虫の危険に晒され、夏は身の毛のよだつ熾烈な昆虫戦記が始まります。
害虫に関しての対策は後日まとめてお伝えいたします。

冬越しで気を付けること

山梨県の山岳地帯の冬は大変厳しい環境となります。朝方や夜中の気温は、確実にマイナスになり霜も降りるので、八ヶ岳での管理は、基本的に室内または温室になります。一本木では温室で管理をし、夜は石油ストーブで5度以下にならないように注意します。日中は日当たりのよい窓際で管理することが多いかと思いますが、就寝前にそのまま窓際に置いたままにしておくと、窓からの冷気で多肉植物がやらててしまったこともあるので、注意が必要です。

冬に初心者が注意すること

多肉植物の冬越しで気を付けなくてはならないことが、「水やり」です。
休眠期に入る冬は、多肉植物やサボテンは断水します。ただ、全く水をやらないわけにはいかないので、月に一度程度与える場合は前後の天気の良い日中に水やりをするようにしましょう。

ぜひ「一本木」に遊びに来てください。

一本木では、オープンガーデンに併設した店舗で、日々庭をいじりながら多肉植物の寄せ植えの販売をしていますが、それ以外にも、様々な木材を取り扱い、その加工などのサービスも提供しています。

植物好きな方々はもちろん、木工・DIYに興味のある方など、新たなアイデアをカタチにできる、そんな場所を私たちは目指しています。少しでも興味がある方はぜひ遊びに来てください。

一本木 Ipponki

山梨県北杜市甲斐大泉で、多肉植物・サボテンやウッドクラフトを販売するオープンガーデン。

住所:〒409-1501 山梨県北杜市大泉町西井出8240-2126

営業時間:月・土・日・祝日:9:00ー16:00 火ー金:定休日

※伐採などのご相談は年中受け付けております。

TEL:0551-38-3015

URL:https://ipponki.jp

こちらもどうぞ

TOP 多肉植物・サボテンの楽しみ方 初心者も育てやすい多肉植物