様々な姿形で私たちを楽しませてくれる「サボテン」の世界。世界各国多くの種類が存在し、その育て方は常に手探りです。八ヶ岳南麓で育てるサボテンの育て方と生長の記録をまとめた備忘録を掲載しています。
一概には決していえませんが、「サボテンは丈夫だからほったらかしでも大丈夫!」は間違っています。当然、生育に合った環境で育てた方がよく育ち、永く楽しむことだできます。しかし、日本の四季という特殊な環境下ではなかなかそうはいきません。日光、水、風、用土などなど…。ご自身の環境でこれらを全て整えられる方はほとんどいません。
そう。日々のサボテンの様子を観察しながら、ご自身の環境に合わせて置き場を変えたり、水やりの回数をと調節するなど、試行錯誤の中でサボテンとの付き合い方を考えていくしかありません。ここでは、そんな温室のサボテンたちのやりとりを記録していきます。
総称で有星類といわれ、一般的なサボテンのイメージの刺で覆われた姿と違い、中心から四方に稜線が入り丸みを帯びた姿が特徴の人気のある種属です。特に兜丸というトゲの代わりに白い毛いぼがある種は、その形や綾の数、バランスなどで価値が大きく違い、コレクターも多く、大変高価に扱われるものもあります。
【夏型】白い斑点が幹肌全体を覆い白銀緑に見える。生長は遅い。
サボテンの中でも種類が多く、一部を除いてですが、寒暑多湿に強く初心者にも育てやすい種類です。直射日光よりもやや弱めを好み、真夏の高温が苦手なものが多く、風通しを良く乾燥気味に育てた方が、ハリ・艶のある肌になる気がします。花も美しいものが多く、緋と黄などの葉緑素が無い斑入り種も美しい属でもありおすすめです。
深い青緑の肌に疣をつかむ悪魔の手のようなかぎ爪の刺が魅力のサボテン。
【春秋生育型】赤い斑入り種<疣斑(イボハン)>がある。班入りは葉緑素が少ないため、直射日光に耐性がなく、真夏の直射日光には気をつける。
【春秋生育型】サボテンの中でも多く普及している品種。角張ったシルエットで横縞が入るのが特徴。
メキシコ原産の夏型で、強刺類と呼ばれるサボテンの中でも刺が大きく一般的にサボテンというとこの種属のイメージが強い気がします。日光を好み、生育期は土が乾いたらたっぷりと水をあげます。湿気は黒いカビが生えやすいので風通しの良い環境で日光のよく当たるところで管理します。休眠期や真夏の時期は蒸れに弱いので、水やりは控え気味に風通し良く乾燥気味に管理します。赤や黄色の刺、大きく綺麗な花を咲かせるのも育てる楽しみに。
【夏型】比較的丈夫で育てやすく、生長も早いので初心者にもおすすめ。
メキシコおよび米国南西に分布される円柱状に育つ小型種。乾燥や寒さにも強く育てやすいサボテンで、花の色も赤、ピンク、黄色など様々な種類があり、どれも自身よりも大きな大輪の美しい花複数咲かせます。花を鑑賞するために育てる人が多い種属でもあります。
赤紫の刺が彩るグラデーションが美しいサボテン
南米の高地に分布される円柱状に育つサボテン。4、5メートルほどの大型種もあり、刺の一部である白いふわふわした産毛のようなもので覆われている。強健種で乾燥や寒さにも強く育てやすいサボテン。植物学者であるニコラス・E・エスポストが名前の由来。果実は甘く美味しいとのこと。
ふわふわとした毛で覆われた可愛らしいサボテン
一般的に「ウチワサボテン」と呼ばれる、節で区切られたような茎の部分(茎節<けいせつ>)がウチワの形をしているのが代表格のサボテン。茎節がウチワでなはなく筒状のものもあります。自生地が高山地であるものが多く、耐寒性があり丈夫で育てやすい種属です。
とても強健で育てやすいので初めてサボテンを育てる方にオススメ。
縁刺(へりさし)と呼ばれる円輪状に生えた刺が特徴の小型のサボテンです。子吹きが旺盛で根が太く直根で、群れに弱いのが特徴です。花も黄色からマゼンタと華やかな花をたくさん咲かせます。
山岳地帯に自生する小型のサボテン。丸みを帯びて小さく群生する姿が可愛らしい。
通称「柱サボテン」と呼ばれる品種です。その名の通り柱状に生長するサボテンで、寒さにも暑さにも強い新種が多いのも特徴で、とても育てやすいサボテンです。生長点が複数ある綴化した品種もありそれらも含めて昔から楽しまれてきた普及種が多いです。
生長点が複数ある綴化した独特なフォルムと黄金色の刺が作り出す力強さや生命力が魅力のサボテン
マミラリアはメキシコを中心に400種ほど確認されており、全身を覆う突起状の疣の先から刺が生えている姿をしています。また、刺の付け根である刺座の縁から円輪上に生える縁刺(へりさし)と呼ばれる刺が特徴で、ほとんどのマミラリア属が白色の縁刺で覆われているのが特徴です。強健な種類が多く、耐寒性も高いため育てやすいサボテンです。
とても強健で育てやすいサボテン。白い縁刺で覆われているものが多い
一属一種のサボテンで、和名では「晃山(コウザン)」と呼ばれています。一般的な丸いサボテンと違い、四方に伸びた腕から伸びる無数のトゲが特徴。耐寒性もありとても丈夫で育てやすいサボテンです。
全体的に青緑色で腕先の枯れたような刺が魅力。生長していくと太い幹が地面から現れ古木のような姿に。