スルコレブチア ラウシーは南米原産の山岳地帯に自生する小型のサボテンです。一般的に痛々しい刺で覆われた印象のサボテンですが、ラウシーの刺は、縁刺(へりさし)と呼ばれる円輪状に生えた赤紫の刺で覆われた姿をしていて、触っても怪我をすることはありません。また、小型で群生するサボテンなので場所も取らず、性質も気難しくはないので、初心者にもおすすめのサボテンです。
自生地はボリビアのスクレ地方の山岳地帯になります。一年を通して寒暖差は日本の四季のように激しくはなく、夏場でも30度を超えることはないようです。高山性のサボテンなので耐寒性もあり夏の蒸れさえ気をつけていれば育てやすい性質です。
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スルコレブチア ラウシーは、脇からたくさんの子株を吹きます。それをカキ子として挿し木で増やすことができます。生長が非常に遅いので、実生から育ててそれなりの大きさに育てるには長い年月がかかります。ある程度の大きさに育った子株を挿し木して増やすのがおすすめです。
実生の方法は簡単です。春頃に綺麗な赤紫の花をたくさん咲かせてくれます。自家受粉はしないようなので、違う個体同士の花粉を交互に付けて受粉完了です。1ヶ月ほどすると種鞘が膨らみ種子を採取することができます。発芽率も高く時に難しくないので実生はオススメです。
春の初めあたりから根本から花芽がつき始めます。子株でも出来てきたと勘違いしそうですが、よく見ると花芽です。徐々に大きく膨らんできます。
数日すると開花間近となります。花を咲かせるときにどの植物もエネルギーを消費するので、実生や花を楽しむ目的がない場合は早めに取ってしまうこともあります。
サボテンの魅力はなんといってもその姿形から想像できない鮮やかで美しい花を咲かせるところではないでしょうか。群生株にたくさんの鮮やかなマゼンタの花が咲き乱れる姿を見てみたいです。
手元にはありませんがオレンジ色(黄色)の花を咲かせるラウシーもあります。ラウシーの花は特別良い香りも嫌な匂いもしない無臭です。これで香りが良ければ最高ですね。
ラウシーは自家受粉はしないので別個体同士で花粉をかけておきます。結実までも難しくなくかなりの確率で種子ができます。受粉後にしばらくすると花が咲いていた根元が膨れ出してきます。
ラウシーの種子は1mmくらいで比較的大きめなので播種しやすいです。花が枯れてその根本が膨らんでカサカサに枯れてきたらピンセットなどで採取します。種子は軽く茶漉しなどで洗い流して殺菌しておきます。
発芽には温度と湿度が大切で、25度以上は欲しいところです。密閉できる蓋付きのトレーなどに腰水をして密閉します。10日くらいすると鮮度の良い種子であれば発芽してきます。
ある程度発芽が揃い少し大きくなったら密閉環境をやめます。ただし腰水はまだ続けます。常に給水状態の方がサボテンや多肉植物の幼苗は生長が早く、ある程度生長してから腰水をやめてしっかりと作り込むようにします。
刺や先端が少し丸くなってきました。まだ小さくサボテンっぽさは出てきませんが生長を日々見るのも楽しみになってきます。もう少し大きくなり厳冬期を過ぎたら植え替えを行います。
かなり放置気味に管理していたせいか。全然生長していません。ラウシー自体も生長は遅い方ですが、もう少し大きく育てることはできると思います。植え替えも全くやっていなかったので、植え替えをしつづ根の状態を確認します。
ラウシーの特徴の塊根も出来ています。少し全体的に細長いですが徐々に丸くなってくので心配ありません。もう見た目はしっかりとラウシーとわかる姿になってきました。
寄せ植えすることで根から出るホルモンが、お互いに刺激し合って生長を促すというのを聞いたことがあったので、深めの育種箱に植え替えていきます。これからの成長が楽しみです。
種子から育てると色々なタイプが現れます。サボテンの実生はとても時間がかかり、場所もとるので本当に好きでないと続けることはできませんが、実生することでしかわからないサボテンの魅力に気がつけるので、皆さんもぜひ挑戦してみてください。
その魅力は丸く小さな群生した姿。なんとも言えない愛らしさがあります。スルコレブチア ラウシーの色味も魅力的で、はっきりとした紫色や淡い緑色など自生地によって色の濃度や明るさが違い、ギュッと詰まったような刺のない丸みを帯びた姿は、じっと見ていても飽きのこない、とてもチャーミングなサボテンだと思います。
ラウシーは管理環境の違いによるものなのか、肌が紫色や緑色の個体があります。肌の色味も鮮やかな紫から漆黒に近い紫色など様々で、刺の大きさや色味まで含めるとなかなかコレクション性の高いサボテンだと思います。
この個体は刺も紫色をしているので、肌の紫色と合わせて全体的に明るめのパープル色をしています。
こちらは刺は黒く、肌は窪みが赤みを帯びていて、絶妙な色合いが魅力的です。
10月中旬。昼夜の温度差が激しくなり紅葉しだすサボテンもあります。ラウシーに関しては色が赤紫から緑に色抜けするタイプや、逆に緑色から赤紫になるタイプがある様です。それぞれ生長の変化が最初に現れる生長点を見るとよくわかります。
画像のラウシーは隣同士で管理しているので、用土や水やりなどの管理方法は同じになるのですが、明らかに色付き方に差が出ています。こういった個体差が楽しめるのもラウシーの魅力ではないでしょうか。
生長期である夏は用土が乾いたら底から水が溢れ出るほどたっぷりと水をやります。夏生育型といっても40度近くにもなる日本の蒸し暑い真夏は真冬同様に生長が鈍り、休眠に入ります。休眠期に入るまでは、気温と湿度をよく見ながら、用土の渇き具合などを観察し、徐々に水やりの回数を減らしていきます。極論、断水しても問題ありません。真冬も同様に水やりは控え、動き出すまで風通しの良い半日陰で管理します。
ラウシーを育てる上で注意が必要なのは日本の夏です。40度近くで多湿な環境は、自生地ではありえない環境です。酷暑は断水して、強烈な直射日光も葉焼けを起こすので30%は遮光して管理します。
自生地は山岳の岩肌などに体をほとんど埋めて、外敵からの捕食を避けています。年間を通してあまり晴天が続かないのも含め、夏場の直射日光と蒸れには弱いので注意が必要です。
小型のサボテンということもあり生長は遅いです。実生も100円玉くらいになるのに3年近くかかりそうです。ただし、寒冷地でも問題なく育てることができたので、育てやすく長く付き合うことのできるサボテンだと思います。
ラウシーは山岳地帯の岩場などに外敵からの身を守るため体の大半を埋めて自生しています。日光を求めて縦長に間延びしてしまうことを徒長といいます。徒長させないためにも風を当てたり、室内でも明るい窓辺で管理するようにしましょう。
ただし、炎天下の直射日光に晒すのも良くありません。適度に遮光して、風通しの良い明るい日向で管理することで丸く綺麗なラウシーに育ってくれると思います。
根が弱く育ちにくいものや生長がとても遅い植物を、丈夫な性質の植物を繋いで(癒着させて)丈夫に育てる技法を接木といいます。台と呼ばれる丈夫な植物は竜神木や袖ヶ浦がよく利用されます。穂木(繋げる側)との相性もあり、技術的なところもあるので回数を重ねないと上達はしない技法です。
生長の遅いラウシーも接木をすることで、とても早く育ち、子株もよく出てくるので面白い姿になります。
開花した接木のラウシー。株が弱らないように接木して花粉をかけて種子を取ったり、接木することで子株をよく出すようになるので繁殖させるために行ったりもします。通常自分の根っこで育てているとミルことのできない、接木でしか辿り着けない姿もあります興味深い手法です。
病気についての詳細を公開予定です。
害虫についての詳細を公開予定です。
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