オプンチア バニーカクタス(白桃扇)の育て方

茎節(けいせつ)と呼ばれる節で区切られたような茎の部分が、ウチワの形をしているのが特徴の小型のウチワサボテンです。トゲの部分である刺座(アレオーレ)の色や長さも様々な種類があり、金色の刺を持つ ゴールデンバニー(金烏帽子)の変種になります。

種類も数百種類と多く、15cmほどから2mほどの大型まで様々な種類があります。見た目の可愛らしさに反して、柔らかい小さな刺は芒刺(ぼうし)と呼ばれ、刺の先端に小さな返しがあり、よく刺さり抜けにくくチクチクするので、作業をするときなどは注意が必要です。白いフワフワしたトゲに全身覆われ、楕円型の葉が複数重なり合う姿から英名では「Bunny Ears」と呼ばれています。非常に丈夫で生長も早く育てやすいサボテンなので、初めてサボテンを育てる方にはオススメです。

品種名
バニーカクタス、白桃扇(ハクトウセン)、象牙団扇(ゾウゲウチワ)
学名
Opuntia microdasys v.albispina
科名
サボテン科
属名
オプンチア
原産地
アメリカ、メキシコ、南米
生育タイプ
夏生育型
育てやすさ
★★★★

オプンチア バニーカクタス(白桃扇)が好き

とても強健なサボテンなので育てやすいです。日光を好むのでよく日の当たる窓や軒下などで管理してください。湿気などの蒸れには弱いので風通しの良い場所を選びましょう。また、春先から初夏にかけての生長期には、たくさんの新しい茎節ができます。水は好きな方なので、生長期には用土が乾燥したらたっぷりと水をあげてください。寒さにも比較的丈夫な印象ですが、冬になり5度を下回らないように室内に取り込むなどしてください。水やりも休眠期には月に一度表面を濡らす程度で、断水気味に管理します。

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オプンチア バニーカクタス(白桃扇)の春の育て方
難易度:★★★★★
水やり:★★★★
生育環境:温室(10℃〜20℃)
オプンチア バニーカクタス(白桃扇)の夏の育て方
難易度:★★★★
水やり:★★★★
生育環境:温室(24℃〜35℃)
オプンチア バニーカクタス(白桃扇)の秋の育て方
難易度:★★★★
水やり:★★★★★
生育環境:温室(15℃〜20℃)
オプンチア バニーカクタス(白桃扇)の冬の育て方
難易度:★★★★★
水やり:★★★★
生育環境:温室(5℃〜15℃)

オプンチア バニーカクタス(白桃扇)の増やし方

増やし方は葉挿しで簡単に増やすことができます。生長期になると刺座から多くの茎節を出します。ある程度生長した茎節を節の部分から切り離し、切り口をよく乾燥させてから用土に挿しておくだけで根付いてくれます。

葉挿しでの増やし方

バニーカクタスの葉挿しでの増やし方はとても簡単で、節の部分からもぎ取り、半日陰で切り口を半日ほど乾かして土に挿しておくだけです。1、2週間ほどすれば発根してきます。生長期の4月から10月ごろまではいつでも行うことができ、発根も簡単なのでぜひ試してみてください。

こんな状態でも発根する!Check!

試しに葉の切れ端を土に埋めてみました。こんな小さな破片でも立派な根が出てきます。生命力の高さに驚かされますね!

オプンチア バニーカクタス(白桃扇)の用土は?

オプンチア バニーカクタス(白桃扇)は非常に丈夫です。乾燥に強いので一般的な赤玉土をベースにしたサボテン用の用土を使用します。植え替えのタイミングは5月〜7月、9月〜10月くらいに行います。植え替えの時に元肥をするとよく生長します。薄めた液肥を生長期に2週に一度与えるのもオススメです。

水やりについて

生長期である春から秋までは用土が乾いたらたっぷりと水をやります。真夏の炎天下での水やりは根腐れを起こすので避けます。35度以上になる真夏の時期は生長が鈍るので水やりの頻度も一週間のうちに一度程度で控えめにします。

冬は休眠期になります。耐寒性もあるので5度を下回らなければ特に気をかける必要はありません。月に一度良く晴れた日に用土の表面が濡れる程度に水やりをします。

バニーカクタス(白桃扇)は寒さにとても強い!

バニーカクタス(白桃扇)はとにかく丈夫です。八ヶ岳の冬はマイナス10度になることも珍しくはありません。早朝は大体マイナス5度以下です。どれくらい寒さに耐えられるのか。屋外軒下で様子を見てみました。

管理環境は直接北風のあたらない南側の軒下で、雨や雪がかからない程度の場所。水は自然に任せて断水し、日光はよく当たる場所で管理しました。画像は屋外軒下管理のバニーカクタス(白桃扇)の様子です。冬の寒さも落ち着き始めた3月過ぎ、ピンピンしています!とにかく丈夫であることは間違いありません!

病気についての対策

丈夫で育てやすいサボテンですが、下記に記述したような伝染症の病気にかかりやすい気がします。大切なサボテンと永く付き合うために予防と殺菌はしっかりとしましょう。

病気の原因

色々な要素が重なって発生するとは思いますが、一番は風通しの悪さが原因だと思います。梅雨の時期はどうしても湿度が高くなり、日照不足になりがちで、窓なども開けられないので風通しも悪くなります。そうなると、用土の中が蒸れた状態が長くなり、病原菌のリスク増加につながります。

見た目で異常はすぐわかるPoint!

元気がないと見た目ですぐに分かります。まっすぐに植わっていたのにフニャッとお辞儀をするように曲がっていたら要チェックです。根が腐っていたり、病害虫の被害に遭っているか可能性が極めて高いです。この見た目に現れてくるまで気が付かないと、正直ダメージは相当大きいので、日頃からよく観察することが大切です。

初期の病害虫の被害は見落としがち…

表面を一面白い刺座で覆われているので、表面上の病害虫の被害はぱっと見ではなかなか気がつくことができません。手に取って日頃からよく見ることでしか対策はできません。

赤い(オレンジ色)の斑点

葉の一部に赤くオレンジ色のような斑点が発生する時があります。これもたちまち全体に広がっていくので発見したら対応を急いだほうがいいです。これはカビの一種である糸状菌(しじょうきん)による伝染性の病気だと思われます。

「サビ病」と呼ばれるもので、赤い斑点の部分が破れ、胞子が周囲に飛散して伝染します。温室で管理していたので、離れた場所で管理していた同じオプンチア属にも伝染してしまうほど、感染力は強いです。

赤い(オレンジ色)の斑点の予防と対策

原因としては今年は長雨が多く、湿度や風通しの悪さが影響していると考えられます。感染してしまった場合は速やかに市販の薬剤を散布させます。私は「トップジンM水和剤」を使用しています。用土からサボテンを出して水でよく洗い流してから、規定量に希釈した薬剤を散布します。その後半日陰で乾燥させてから植え込み直します。感染力が強い病気なので、同じオプンチア属はもちろん、可能であれば他のサボテンにも薬剤を散布したほうがいいでしょう。数日すると赤色の斑点が茶色くくすんだ色に変色してきます。こうなれば一安心です。

害虫についての対策

虫もウチワサボテンが大好きなのか、様々な虫が寄ってきます。害虫の発生時期は春先から冬に入るまで、とりわけ部屋のなかで育てられる方は暖かく適度な湿度もあるため、長い期間虫が発生する可能性が高いです。しっかりと発生する前に薬剤散布を行い予防していきましょう。

白い糸屑状のものに覆われる

白い糸屑状のものにびっしりと葉が覆われることがあります。サボテン自体も栄養を吸われているのか、萎れて元気がなくなります。害虫の「カイガラムシ」の類が原因ではないかと思います。対策としては柔らかめの葉ブラシで擦り落としてから、カイガラムシ用の殺虫剤を春先と秋に散布します。

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