中南米を中心とした夏型のサボテン。その大きな特徴は成熟してくると現れる、花座と呼ばれる花が咲き種子をつける器官です。その独特な姿から昔から鑑賞価値の高いサボテンとして人気です。サボテンらしい厳ついトゲと、赤い派手な円柱状の帽子をつける唯一無二な姿と、この絶妙な組み合わせがとても惹きつけられます。
耐寒性は低いとのことですが、冬は10度を下回る環境でもうまく越冬することができていますので、とても丈夫で育てやすいサボテンです。そこまで大きく育つこともなく、インテリアとしてもちょうど良い大きさに生長するのも魅力です。
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マタンザナスの増やし方は実生になります。成熟した株は自家受粉して種子をたくさん付けてくれます。種子の発芽も良好で、助湯部で育てやすいので実生しやすいおすすめの品種です。
自家受粉するために花座ができるまで、5年以上かかるので種子はWENサイトなどの通販を利用するか、親株を購入するなどして準備します。
実生の方法は簡単です。自家受粉した種子を採取して果肉を洗い流して、密閉された環境に腰水した用土に蒔くだけです。発芽率も良好で生長も早いため、実生はおすすめです。あの赤い帽子を被るようになるまでワクワクしながら育てるのも楽しいです。
マタンザナスの花は初夏から晩秋までよく咲いてくれます。派手な花座から控えめな小さなマゼンタ色の花が複数咲きます。
ポツポツと咲き乱れる花に癒されながら、その後の種子ができるのを待ちます。咲き終わって早めに種子が花座から顔お出してきます。このモフモフは触っても痛くないので、ついつい撫でたくなる魅力があります。
マタンザナスは自家受粉します。花が咲き終わり1ヶ月くらいすると派手な花座からニョキニョキと果実が出てきます。ちょうど花が枯れた後のところから出てくるので、この枯れた部分は取らない方が良いです。
開花後、しばらくすると赤い花座からピンク色の果実が頭を覗かせるので採取します。マタンザナスは開花して種子を付けるまで5年以上かかるといわれています。こちらは開花株を入手したので、どれくらいの年数が経っているのかはわかりません。
花座にできた種子は1日経つと再び出てきますので、毎日手などで採取します。種子を抜いた箇所が窪んで採取した時のスポッと抜ける感覚も楽しいです。
果実の中に黒い種子が入っているのが見えます。この果実は花座から取らないで、そのままにしていると勝手に押し出されて地面に落ちてしまうので、放置せずに採取して破棄するか播種しましょう。
マタンザナスの種子を播種するために、果肉と種子を分ける作業を行います。茶漉しなどに入れて手で果肉を押しつぶしながら取り分けます。特に滑りもないので果肉から取り出せたら、無理に洗い流さなくも大丈夫です。
種子の大きさは割と大きめの1mm程度です。種子をよく洗って乾燥させておきましょう。種子は採取してすぐに蒔いた方が発芽率は良いですが、種類によってはしっかりと成熟した種子でないまま採取してしまうと、きちんと発芽しない場合もあります。
播種するための用土を熱湯消毒しておきます。用土は市販の多肉植物・サボテン用を使用して、表面には赤玉の細粒を敷いておきます。
熱湯消毒を終えて冷ましたら、覆土せずに種子を蒔いて、密閉した容器に煮沸して冷ました水で腰水します。
早ければ3日ほどで発芽してきます。
一つが発芽してくると他も揃って発芽してきます。発芽の条件に温度と湿度が関係してきます。温度については20度以上が望ましく、湿度に関しては密閉するなど、可能な限り多湿で管理した方が良いです。
ある程度発芽が揃ってきたら密閉環境をやめます。ただし、腰水管理は続けた方が生長は早いです。
それらしい顔になってきました。このくらいの大きさになったら実生用の培養土から、通常の用土に植え替えます。ここまで続けていた腰水管理も上から水やりする方法に変えても問題ありません。実生苗は根が弱いので水を切らしすぎると、枯れてしまったり生長が遅くなるので注意します。
特徴的な赤い花座はまだまだできてくる気配はありませんが、姿は立派なサボテンになりました。この姿だと特徴のないサボテンに見えますが、個人的にはこの厳ついトゲと緑のボディーのコントラストが魅力です。
これは大きめのマタンザナスを入手して2年くらい管理していたものです。実生からどれくらいが経っているかはわかりませんが、こういう感じで花座が出来てくるのかと興味が湧いてきます。
その魅力は典型的なトゲのあるサボテンの見た目なのに、頭頂部から伸びてくる赤い帽子のような柱。その独特な見た目ではないでしょうか。サボテンの緑色の肌に対してコントラストの効いた赤。全てがとてもユニークで惹きつけられます。
この花座が出来始めるとサボテン自体は大きくなることを止めて、赤い花座の部分のみが長く円柱状に生長を始めます。
マタンザナスは和名で朱雲と呼ばれるらしいです。朱色の雲。なかなかのネーミングセンスですね。まさにサボテンの頭にかかった朱色の雲と見立てた名前でぴったりですね。
マタンザナスは通常のサボテン用の用土で問題ありません。多湿に弱いので水捌けの良い用土に植えます。元肥や顆粒の殺虫剤も混ぜ込んでおくと良いでしょう。
生長期である夏は用土が乾いたら底から水が溢れ出るほどたっぷりと水やりをします。15度を下回ると徐々に用土の乾きが悪くなり、活動が鈍くなる休眠機に入ります。厳冬期には水はほぼ断水して越冬させます。
マタンザナスは寒さに弱いですが、厳冬期に向けて徐々に断水をして体内の濃度を高め冬に向けて準備をすれば問題なく越冬することができます。ただし、冬は日光にはよく当てて5度以下にはならないように気をつけます。寒すぎると肌が茶色く変色して瘡蓋のような傷ができてしまうことがあります。
植え替えは生長期の6月から9月の頭くらいにに行いましょう。生長期に植え替えることでサボテンが休眠期に入るまでに、しっかりと発根し、冬に備えることができるようにしておきましょう。特に若い実生苗は1年に1度は植え替えて、根を整理したり鉢増しをするなどして大きく生長できる環境を整えましょう。
病気について気になることがあれば記載していきます。
カイガラムシが花座に付くことがあります。カイガラムシは白い分泌液を出して繁殖するのでよく観察して早めに対応できるようにしましょう。今回はマタンザナスの特徴である花座にカイガラムシが発生してしまったのでその様子を記載します。
カイガラムシにも白色や赤色がいますが今回は赤色のタイプでした。通常通りの薬剤散布でしばらくは白色のカイガラムシは見ていなかったので、赤いカイガラムシには薬剤耐性があったのでしょうか。生え際にびっしりと発生しています。
まずはピンセットなどで可能な限り確実に補殺していきます。その次に鉢から抜いて根なども含めてよく水洗いします。一般的なサボテンや多肉植物はこれでほぼいなくなるのですが、今回は花座の剛毛の中に入り込んでいるようです。
洗い流した後に、薬剤を入れたバケツの容器に丸ごと浸しておきます。
だいぶ傷んでしまいましたが、再び発生はしていないようです。市販の殺虫剤を念押しでかけておき治療は完了です。
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