まるで生き物のような白い毛のような刺で覆われたサボテン。フサフサな見た目が可愛らしく人気でのサボテンです。玉翁という名前の通り、仙人のような風格も漂います。
この毛のような刺の中には、しっかりと鋭い刺が生えていて油断していると刺さるので注意しましょう。
玉翁とは別で品種改良で生まれた玉翁殿<ぎょくおうでん>という毛が長めで群生するタイプの玉翁があります。この毛量は個体差があり、とても毛の長いものもあれば全身を覆っている刺が丸見えくらいしか生えていないものまで様々です。様々なタイプがありコレクション性も高くおすすめのサボテンです。
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増やし方は子株を分けて増やす方法か、実生で種子から育てて増やす方法になります。玉翁はあまり群生はしないようなので生長点を潰して脇から子株を出させます。
春先に花もよく咲かせるので交配して種子から育てる実生の方が個人的にはオススメです。
2月から5月くらいに、小さなマゼンタ色の可愛らしい花を咲かせます。自家受粉はしないようなのでそれぞれ違う個体の玉翁を用意します。それぞれ開花が揃ったらピンセットなどで花粉を取って、別の個体の花に付けておきます。しばらくすると夏の終わりくらいに種鞘がポコポコと顔を出してきます。種子を採ってすぐに蒔いて問題はありません。発芽率も良いので実生はオススメです。
マミラリアの花は白っぽい刺に覆われた姿にポツポツと花冠のように鮮やかなマゼンタ色の花を咲かせます。その花の差し色がとても綺麗でサボテンの花を楽しむのも楽しみ方の一つかと思います。
開花の時期は2月から5月ごろ咲いてきます。生長期の夏にしっかりと根を張らせて、冬も断水気味に管理して日光にしっかりとあてて越冬すれば、春に花を楽しむことができます。
春に受粉作業をしてすっかり忘れていた秋頃に、ポコポコとピンク色の種鞘が毛の間から顔を出してきます。よくよく毛の間を見てみると、他にも種鞘らしきものが疣の間にできていますが、無理に取り出そうとする必要はなく、自然と押し出されて出てくるので待ちましょう。
採取した種子は果肉を茶漉しなどを利用して綺麗に洗い流します。その後、少し乾燥させてから種子の殺菌を行います。種子の殺菌処理は行わなくても問題はありませんが、どうしてもカビなどの菌が発生してしまう可能性があるので、個人的にはせっかく待った種子をきちんと発芽させたいので、面倒ですが種子の殺菌処理は行うようにしています。
種子は塩素系殺菌剤を使用しています。よく見る家庭用のやつできちんと発芽してくれます。メリットは数分で殺菌処理が終わるので、準備に時間がかからないことです。
発芽の条件に温度と湿度が関係してきます。温度は25度以上が望ましいです。湿度を確保するために密閉容器を使いますが、雑菌などは湿度を好むため用土の殺菌処理が欠かせません。殺菌は簡単で熱湯を用土にかけるだけです。熱が冷めてきたら覆土しないで播種します。
密閉して腰水管理で日当たりを避けて管理します。密閉していると直射日光でケースの中は高温になり、種子が煮えてしまうので注意しましょう。10日くらい経つとポツポツと発芽が確認でき徐々に大きくなってきます。このくらい目で確認できるくらいになったら密閉をやめて、少し空気に当てるようにします。腰水管理はしばらく続けます。
玉翁の種子を播種してから半年近く経ちました。秋蒔きで冬は無加温だったのもあるのか生長は遅いです。姿は大分サボテンらしい白い刺が目立ってきて雰囲気は出てきました。
このくらいの大きさになったら腰水をやめて通常のサボテン用の用土に植え替えます。
1年過ぎてある程度の大きさになると生長速度が上がる気がします。また、水はかなり好きなようでバンバン乾いたらあげるようにすると、目に見えて大きく成長していくのがわかるので楽しいです。このくらいになると毛もしっかりと生えて見栄えもします。
玉翁の魅力は動物のような毛のような刺に覆われたモフモフな見た目ではないでしょうか。この毛量にも個体差があり、毛並みもそれぞれ違っているのが面白いです。毛の長いものから短いもの。癖っ毛から直毛なものまで様々です。
この毛並みは個体差が出るので実生で様々なタイプを作る楽しみ方もあります。玉翁殿のような毛の長いタイプや毛は長いが直毛なタイプのように、実生ならではの自分の好みに合わせた玉翁を作る楽しみがあります。
水やりは頭からかけても特に問題はないかと思います。この全身を覆う毛は汚れがつきやすく、頭から水をかけると汚れてくるといわれていますが、水ではそんなには汚れないかと思います。
一番汚れるのは薬剤散布です。どうしても全身にかけないといけない薬剤は毛が汚れがちな印象です。薬剤もやらないわけにはいかないので、ある意味散布後の水やりは頭から水をかけて綺麗にするのはありな気もします。
水は好きな方で、生長期の夏は用土が乾いたらたっぷりとあげます。蒸し暑い蒸れは好まないので、夏場は日が沈みかける夕方ごろに水をやるようにします。昼間に水やりをして鉢内を煮立てないように注意しましょう。
15度を下回ってくると休眠に向けて水やりの頻度を調整していきます。用土の乾きも悪くなってくるので徐々に断水気味に管理して、サボテン内の養分濃度を高めにして越冬できるように備えましょう。
ウォータースペースの確保が出来なくなってきたら一回り大きめの鉢に植え替えます。植え替えは株の状態をしっかりと確かめる絶好の機会です。根張りの良し悪しで置き場所を変えてみたり、病害虫の有無を見て、次に生かすことができるようによく観察します。
サボテンの径が鉢に対して狭くなってきたら植え替えを考えます。大体1年に1回くらいは植え替えてあげると調子がいいです。ただし品種によっては根をいじられるとしばらく調子が崩れるものもあるので注意が必要です。
スリット鉢は鉢内に空気を取り込みやすく生長も良い印象ですが、その分早く乾いてしまうため水やりの頻度が増えたり、気がつかないうちに乾燥し過ぎてあまり大きく育たないなどのデメリットもあります。健康的な根が張っているので今の環境のままで良さそうです。
根をほぐして古い茶色の枯れた根っこや手で軽く引っ掛けて切れてしまう根などは取り除きます。根をほぐすことで新しく出てくる根がしっかりと用土に回るようにします。
同じ種子の実生でもこのくらいの大きさになると個体差が出てきます。玉翁は根をいじられてもそこまで調子を崩すこともなく丈夫なサボテンなので、根も乾燥させずにそのまま植え付けます。
根が張って肥料を取り込めるように、肥料は表土に蒔かずに鉢の底あたりに施します。肥料がなくても生長はしますが、肥料を入れた方が明らかに成長が早いです。
鉢に対してどの程度植え込むのか。どの面を向けて植え込むのかなど、仕立てることも考えながら植え替えをするのも楽しみの一つです。
植え付けて隙間を埋めえるように鉢を少しゆすったり、小刻みに叩くなどして馴染ませます。最後に上から殺虫剤と化粧砂として赤玉土で覆います。
これで植え替えは終わりです。一回り大きくしたので根もよりよく張ってくれると思います。大きな鉢に植える時は、その分水持ちも良くなるので水やりの頻度や量に気をつけるようにします。寝腐れの原因にもなるので水やり後は良く観察します。
植え替えたり誤ってひっくり返してしまうと、毛の中に土やゴミが入り込んでしまうことがあります。見た目もよろしくないのでピンセットなどで丁寧に取っていきます。マイラリアの中にはカギ刺タイプもあるので、汚れを撮るのが大変な種類もあります。
玉翁のタイプ違いで玉翁殿<ぎょくおうでん>があります。この違いについては厳密な線引きはなさそうですが、特徴の違いとして毛の長さや群生の有無などがあります。
玉翁の方が毛は短めで玉翁殿の方が長めといわれています。ただし、毛の長めの玉翁もあるようです。大きな違いとしては玉翁は群生はせずに径が大きくなっていきます。玉翁殿の方は玉翁よりも小型で群生し始めるようです。
病気についての詳細を公開予定です。
実際に被害が出たときにこちらに記載します。
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