蘇鉄麒麟(ソテツキリン)はユーフォルビアの中でも峨眉山と並ぶ人気の多肉植物です。普及種ですが時間をかけ年月が経ち木質化してくると、味わいのある風貌になります。暑さにも寒さにも強くとても丈夫で育てやすいので、多肉植物を初めて育てる人の入門としておすすめです。
品種改良によって作出されたソテツキリン(蘇鉄麒麟)はとても強健で育てやすい多肉植物です。交配の一つとされる鉄甲丸のように枯れた葉の茎の部分が残り、独特な肌質を作っています。蘇鉄のような幹肌と生長点から生える葉のバランスが、まさにパイナップルのように見えため、パイナップルコーンという流通名でも親しまれている多肉植物です。
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増やし方は子株をとり挿し木にして増やすのが一般的です。ある程度の大きさに生長すると根本や幹の途中から子株をたくさん出すようになります。
生長点の葉の展開や水の吸い上げる量を見ながら生長期である夏(高温過ぎると休眠してしまう)を見極めて、親株から挿し木用に子株を外して増やします。
ソテツキリン(パイナップルコーン)の実生のやり方は、雌雄異熟と呼ばれる雌雄それぞれ開花の時期をずらして咲くので、2株以上用意して花が合うタイミングで交配します。おしべもめしべも形状が特徴的で交配作業もしやすいです。自家受粉はしないようなので、出回っている株のほとんどが挿し木によるクローンなので違う遺伝子の株を揃えるのには気をつけましょう。
ソテツキリン(パイナップルコーン)は雌雄異熟と呼ばれる、めしべかおしべどちらかが先に成熟し、時期をづらすことで他の個体と遺伝子の組み合わせで多様性を出すための進化だといわれています。ソテツキリンの場合は雄しべ先熟かと思われます。写真だと分かりづらいですが、小さな黄色の花粉ができているのが雄しべです。
雄しべが枯れると雌しべが出てきます。特徴的な姿の柱頭がわかりやすいです。ソテツキリン(パイナップルコーン)は自家受粉はしないようです。また、入手元が違う株同士で交配させてみましたが、結実しにくそうです。基本的には子株で増やすのが良いかと思います。
一番簡単な増やす方法は子株を外して挿し木で増やす方法です。ソテツキリン(パイナップルコーン)は成熟してくると根本や幹の途中から子株が生えてきます。この子株を切り取り用土に挿しておくと根っこが生えてきます。
この挿し木による増やし方が最も簡単です。親株に付いている間に養分をもらって育つので、自根で育てる時よりも早く大きく育ちます。ある程度の大きさになったら子株を外すだけで増やせるのでおすすめです。
まず、親株から生えている大きめの子株を選びます。外す子株は根本からでも幹の途中からでも、どこを外しても問題はありません。綺麗に群生株を作りたいのであれば根本のは残して、幹の途中から生えている子株を外した方が良いです。
挿し木用の子株はある程度形の整ったものが良いです。太るように生長する箇所は頭の先、生長点から大きくなるので、細長い個体は綺麗な形に育つまで時間がかかってしまいます。付け根は割としっかりとしているので手でもぎ取ろうとすると株を痛めるので、ハサミなどの刃物を使って切り取るようにしましょう。
ユーフォルビア特有の白い液が出ます。この白い液には発根阻害の効果があるといわれているのでよく洗い流しておきます。切り口を乾かすように反日陰で数日管理して、用土に挿しておくだけです。この白い樹液は体質によってはかぶれることもあるので注意しましょう。
ソテツキリン(パイナップルコーン)の挿し木の発根にはかなり時間がかかる印象です。早いものでも1ヶ月近く、遅いものだと半年以上かかります。発根させるには赤玉土に切り口を乾燥させた状態で挿しておきます。適度に水をやって湿らせたほうが発根しやすいです。
日照不足や水やりのしすぎによる間延びしてしまった徒長と呼ばれる状態の株を、切り戻して見た目を整えたいと思う方もいると思います。そんな時こそ胴切りという文字通り胴に刃物を入れて切り分ける荒技で強制的に仕立てる方法があります。
徒長してしまった子株を仕立て直します。好みの長さに合わせてカッターなどで切り分けます。その際に刃物をアルコールやライターなどで殺菌処理をしておきます。胴切りする位置はあまり上すぎない方が良いです。根元に近い分だけ発根はしやすい印象です。今回は割と攻めた位置で胴切りします。
胴切り後はしっかりと切り口を乾燥させます。発根までには半年から1年くらいとかなり時間がかかる印象です。その間にカビたり萎びてしまって枯れてしまうものも多いです。
胴切り剪定はかなりリスクのある方法ではありますが、魅力的な姿に仕立てられるので勇気を持って行いましょう。
ユーフォルビア ソテツキリン(パイナップルコーン)の魅力は、年数が経つとソテツのような木質化した幹肌と、生長点から展開する葉とのバランスではないでしょうか。その姿はまさにパイナップルに似ていて、とても可愛らしいです。性質も丈夫なので初心者の入門としても人気です。
葉が枯れた後に残る茎の部分が独特な質感を作り、ある程度年数が経つと木質化してくるので、とても雰囲気の出る多肉植物です。
この木質化が進んでいる箇所はそれ以上太ったりはしにくいので、大きく太らせたい場合はまだ幹肌が濃い緑をしている個体を選ぶようにしましょう。
生長点から生える葉は、生長期は生い茂り、休眠期に入ると枯れてきます。この葉とのバランスがユーフォルビア ソテツキリン(パイナップルコーン)の魅力です。
大きく太く立派に育てるには毎年きちんと植え替えを行いましょう。大きく太るには適度な日光と水やりが必要ですが、根詰まりや用土の肥料分がなくなるなど土壌の問題により生育が滞ることがあります。
久々に植え替えをします。鉢を掴むととても硬く、根詰まりを起こしている可能性が高い状態だと思います。植え替えをおろそかにすると病害虫のリスクも増えるので、可能であれば毎年植え替えるようにしましょう。
根詰まりまではいっていませんが、鉢の底まで根が回っています。古い枯れたような根を取り去ったりするなど根の整理をすることも大切です。
植え替え時に鉢底に固形肥料を入れておくと生長に良いです。底に向かって根が伸びてきて鉢全体に根が回るように、底の方に肥料は入れるようにします。
植え替える時に鉢に対してどのくらい深く植えるか決めます。大きく太らせたい場合は鉢自体も一回り大きい鉢に植え替えた方がよく育ちますが、水やりなどのタイミングが難しくなるので、根腐れが起きることもあるので気をつけましょう。
植える位置を決めたら用土を入れて安定させます。鉢を軽く叩いて揺らして隙間に満遍なく用土が入り込むようにします。育てていく中で用土の粒が崩れたり、水やりの繰り返しで隙間も埋まっていくので、植え替え時よりも少し表面も下がってくると想定して植え付けておきます。
殺虫剤を必ず入れておきましょう。大体の成分が植物自体に虫に害となる成分を含ませて、虫がつくのを予防したりするものです。大体半年くらいは効果が持ちますので、植え替えの時に合わせて必ず施しておきましょう。
場所的な問題もあるので今回は鉢増しはせずに植え替えました。大きく太らせたい場合は一回り大きめの鉢に植え替えていきましょう。植え替えることで傾いていた株も綺麗に真っ直ぐに植え直すことができ、気持ちもすごく良いですね。
生長期の夏はしっかりと鉢底から水が出るほどたっぷりとやります。用土がしっかりと乾き切ったのを確認してから、またたっぷりと水をやります。基本的には水が切れていてもしばらくは大丈夫な品種なので、やり過ぎるよりも乾かし気味の管理の方が無難です。
夏生育型とはいえ、40度を超える環境が続くと生長が鈍くなり休眠に入ってしまうことがあります。また、このような高温の環境下では日中の水やりは鉢内が蒸し風呂状態となり、植物が煮えてしまうこともあります。夏の時期の水やりは、日が落ち気温の下がり始める夕方ごろに行いましょう。
10月近くになり20度を切り始めると落葉が始まります。真冬に向けて水やりの頻度を控えて冬越しできるように調整する必要があります。
11月に入り昼夜の寒暖差が大きくリ始めると、葉を落とし水もあまり吸わなくなります。ソテツキリン(パイナップルコーン)は葉が落ち始めると休眠のサインなので、比較的わかりやすいのも嬉しいところです。
厳冬期はほぼ断水し、日当たりの良いところで耐寒性を高めます。全くやらなくてもなんとかなりますが、よく晴れて気温の安定する日に用土の三分の一程度水をやります。休眠期とはいえ、用土には根が張っていて、完全断水してしまうと細い根は枯れてしまいます。春の立ち上がりが悪くなるので、個人的には完全断水はしないほうが良いかと思います。
病気についての詳細を公開予定です。
ソテツキリン(パイナップルコーン)は比較的虫が付きにくい印象です。実際に被害が出たときにこちらに記載します。
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